相続対策で父親から生前贈与をされました。贈与税の申告しておけよ!と言われたのですが、どうやって申告すればいいかわかりません。。。
贈与税の申告書は国税庁ホームページ(確定申告書作成コーナー)から作成することができます。
今回はe-Taxが使えない人向けに現金贈与の贈与税申告書作成から提出まで解説します。
e-Taxを利用したい!という人↓の記事で詳細を解説していますのでご確認ください。
必要なもの
パソコン
贈与税の申告書はスマホでは申告書作成ができません。作成にはパソコンが必要になります。
贈与内容が確認できる資料
申告書作成にあたり↓の情報が必要になります。贈与契約書などの資料を用意しておきましょう。
- 誰からもらったか?(贈与者の氏名、住所、生年月日、続柄)
- いつもらったか?(贈与年月日)
- いくらもらったか?(贈与金額)
戸籍謄本(直系尊属からの贈与が410万円を超える場合)
贈与税の税率は一般税率と特例税率の2種類あります。
通常の場合には一般税率を使用しますが、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の人が、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与により取得した財産については特例税率を使用します。
国は上の世代から下の世代への生前贈与を推奨しているため特例税率のほうが若干税率が低くなっているわけです。
直系尊属からの贈与が410万円を超える場合には特例税率を使うことを証明する書類として戸籍謄本の提出が必要です。該当する人は準備をしましょう。
申告書作成
e-Taxは使わずに申告書を印刷して提出するまでの流れを説明します。
パソコンより↓のリンクから入り、作成開始に進みましょう。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
税務署への提出方法の選択で『印刷して提出』をクリックしましょう。
申告内容の選択
贈与税をクリックしましょう。
贈与税申告書作成コーナー
贈与税の申告書作成開始をクリックしましょう。
贈与の種別の選択
今回は一般の贈与(基礎控除110万円)の贈与を対象としていますので一番上をクリックしましょう。
贈与者情報の入力
贈与者(財産をあげた人)の情報を入力しましょう。
ポイントは贈与者の続柄です。
必要資料のところでも説明したとおり、↓の要件をどちらも満たす場合には特例税率を使用します。
- 受贈者(財産をもらった人)が贈与を受けた年の1月1日において18歳以上である
- 贈与者(財産をあげた人)が直系尊属(父母や祖父母など)である
確定申告書作成コーナーでは入力された続柄をもとにシステムが税率を自動で判定します。
続柄の入力を間違えてしまうと税率が正しく反映されません。続柄を間違えてないように気をつけましょう。
取得財産の入力
(1)財産を贈与により取得した日
財産を受け取った日を入力しましょう。
贈与契約書を作成している場合は贈与契約書に記載した日付が贈与により財産を取得した日となります。
贈与契約書を作成しておらず口頭による贈与の場合には贈与の履行があった日、つまり財産を実際に受け取った日となります。
贈与税を計算するときにはそれほど論点にはなりませんが、相続税を計算するときにはいつ贈与があったのか?がポイントになりますのでしっかり記載しておくことをおすすめします。
(2)贈与を受けた財産の種類
『現金、預貯金等』を選択しましょう。
(3)贈与を受けた財産の細目
『現金、預貯金等』を選択しましょう。
(4) 贈与を受けた財産の利用区分又は銘柄、名称等
『現金』を選択しましょう。
(5) 財産の所在地
空欄でOKです。
贈与を受けた財産の価額
現金で受け取った金額を記載しましょう。
ここまでが一連の流れです。
同じ贈与者から他にも財産をもらっている場合には『財産の追加』をクリックしましょう。
贈与者を追加する場合
なお、贈与税の計算はもらった人ごとに計算します。複数の人から贈与を受けている場合には合算して申告する必要がありますので追加で入力する必要があります。
入力終了をクリックすると贈与者と贈与財産の一覧が表示されます。
下のある『贈与者を追加する』をクリックすると二人目の贈与者登録画面にうつります。
計算結果の確認
すべての贈与財産の入力が終わったら入力終了をクリックします。
贈与税の計算結果が表示されます。贈与金額を確認しましょう。一番下に表示された数字が納付すべき贈与税額です。
内容に問題なければ入力終了をクリックしましょう。
納付について
納付についての説明画面が表示されます。とりあえずコンビニQR納付の箇所にある『納付用QRコードを作成する』をクリックしておきましょう。
あとは贈与者(財産をもらった人)の住所、氏名等の基礎情報を入力すれば申告書作成は完了です。
提出
申告書の作成が完了したら印刷していよいよ提出です。
贈与税の確定申告の提出は2月1日から始まります。開始前に提出をすると受付してくれません。提出の手続きは2月1日以降に行うようにしてください。
提出方法は↓の2つです。
①税務署に持参
②郵送
提出先
受贈者(財産をもらった人)住所地を所轄する税務署に提出します。
申告書といっしょに印刷した『提出書類等のご案内』の右下に記載されている税務署が提出先となります。
税務署に持参して提出する場合
受付時間
月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時までとなります。
閉庁日(土・日曜・祝日等)には税務署の時間外収受箱へ投函することにより提出できます。
2025年から収受印を押してくれない
2025年(令和7年)1月以降に提出した申告書等の控えには収受日付印の押印をしてくれません。
税務署に持参するものは1部のみとなります。
ただし、自分の控え用にもう1部印刷して税務署へ持参した年月日を記載して保管しておきましょう。
相談したい場合には予約が必要
税務署は申告書を受け取るだけでその場で内容の確認はしません。相談にも乗ってくれません。
申告書の書き方について相談したい場合には、個別相談の予約が必要です。
郵送で提出する場合
申告書は郵送で提出することもできます。郵送の場合には発送した日(ポスト投函日)を提出日とみなします。
申告期限当日に発送しても期限には間に合うこととなります。(ただし、ギリギリにならないように余裕をもって進めましょう。)
提出は1部のみ
直接提出と同様2025年(令和7年)1月以降に提出した申告書等の控えには収受日付印の押印をしてくれません。
提出用の1部のみ郵送します。
ただし、自分の控え用にもう1部印刷して税務署へ郵送した年月日を記載して保管しておきましょう。
郵送方法に注意!
コロナ禍による影響で郵便、ヤマト、佐川、バイク便などなど郵送方法が多様化しています。
申告書については郵送方法に制限があるため注意が必要です。
申告書は信書「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」にあたることから、特定の郵送サービスを使って送付する必要があります。
レターパックがオススメ
民営化にともない日本郵便も様々な郵送サービスを取り扱うようになりました。
日本郵便にも申告書を送付できないサービスがあるので注意が必要です。
日本郵便のおもなサービスを表にして整理してみました。
申告書送付できる | 申告書送付できない |
---|---|
定形郵便 定形外郵便 レターパック スマートレター ミニレター | ゆうパック クリックポスト ゆうパケット デメリット |
上記のうち、オススメはレターパックです。レターパックの場合、追跡サービスにより郵便物の配送状況を確認でき、ポスト投函もできることから便利です。
- レターパックプラス(赤)600円
- レターパックライト(青)430円
ヤマトで申告書は送れないので注意!
郵送手段として多くの人が利用しているヤマト運輸。
ただし、ヤマト運輸では申告書(信書)を送ることができません!
※正確にいうと荷物扱いで郵送が可能ですが、ヤマトで送付した場合には税務署に到達した日が提出日となってしまうため利用しないほうが好ましいでしょう。
納税も忘れない!
申告が終わったあとは納税が必要です。納税のタイミングは申告期限前であればいつでもOKですが納税忘れがないように気をつけましょう。
納税のしかたがわからない!という人は↓の記事で納税方法、納税の流れを解説していますのでご確認ください。
まとめ
今回はe-Taxを利用できない人向けに現金贈与の申告書作成について解説しました。
国税庁の確定申告書作成コーナーを活用すれば意外とカンタンに作成することができます。
相続対策で生前贈与をした場合には贈与税申告書の作成までしっかり行うことが肝心です。今回の記事を参考に作成してみましょう。
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コース名 | 料金(消費税10%込) |
40分コース | 19,800円 |
90分コース | 29,700円 |
180分コース | 49,500円 |
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