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60歳からはじめる遺言書 目的から作成方法までの流れを解説!

60歳からの相続対策には遺言書の作成が必須です。

作成が必要なことはわかっているのだけど、何からどうやって始めればいいかわからないんです、、、

という人も多いと思います。遺言書の作成は↓の手順で進めていくことをオススメしています。

  1. 遺言書を作成する目的を明確にする
  2. 下準備1 自分の財産の棚卸し
  3. 下準備2 自分の財産のつかいかたを検討する
  4. 財産の分け方を考える
  5. 遺言書の作成方法を検討する

今回は遺言書を作成する目的から作成方法までの流れをお話していきます。

目次

遺言書を作成する目的はなにか?

遺言書とは『自分の死後に自分の財産を誰にどのように分配するか?』に関することを残す文書です。

遺言書を作成するときにはまず、目的を明確にしましょう。

財産の分け方を自分で決めたい

遺言書を作成しない=残った財産の分け方を相続人にゆだねる、ということになります。

財産の分け方を自分で決めたい!というときには遺言書を作成すべきです。

相続人以外に財産をわたしたい

死亡時に残った財産は相続人で話し合いをして分けることになります。たとえ相続人が承諾しても相続人以外の人は財産を受け取ることはできません。

相続人以外の人に財産を渡したい、というときにも遺言書を作成すべきです。

遺産分割に関するトラブルを避けたい

遺産分割に関するトラブルを避けたいときには遺言書を作成すべきです。

たとえば↓のようなケースで相続人間で話し合いがしづらい場合には遺言書を作成しておくことで遺産分割に関する争いを避けることができます。

  • 配偶者と兄弟姉妹
  • 前妻・前夫との間の子と現在の妻・夫

作成するまえの下準備

まずは自分の財産の棚卸しから

60歳から遺言書の作成をはじめる場合には、まず自分の財産を把握するところからはじめましょう。

具体先には自分の財産(と債務)の一覧表を作成して自分がもっている財産の『金額』と『内容』を把握しましょう。

財産一覧表の作成方法は以下の記事でも解説しています。

自分の今後の生活を見通し財産の『つかいかた』をかんがえる

自分の財産の棚卸しができたあとは自分の今後の生活を見通し財産の『つかいかた』を検討しましょう。

60歳の人が自分の死後の財産のわたしかたを考えるのは非現実的でなかなか考えが進みません。

財産のわたしかたを考えるためには『自分で財産をどの程度つかうか?』を明確にする必要があります。

検討するうえでは収支予測表を作成することをオススメしています。

こちらの記事では収支予測表の記事の解説をしています。

財産の分け方を考える

まずは自由に考える

下準備ができたら財産の分け方の検討です。

分け方は基本的に書く人の自由。それが遺言書の良いところです。まずは自分の思いをノートなどに書き連ねてみましょう。

ただし、自由ではあるものの気をつけておくべき点もあります。

遺留分に要注意

遺留分とは民法で定められた相続人が最低限受け取ることができる権利です。

遺留分は法定相続分の2分の1。たとえば相続人が配偶者・子二人の場合の遺留分は↓の表のとなります。
(なお、兄弟姉妹には遺留分はありません)

法定相続分遺留分
配偶者1/21/4
子11/41/6
子21/41/6

各相続人は自分が相続した金額が遺留分に満たない場合には満たない部分を請求することができます。(遺留分侵害額請求といいます)

相続人が遺留分以下の財産しか受け取れていない場合には遺留分侵害額請求をされるリスクがあることを想定して遺言書を書く必要があります。

遺留分についてはこちらの記事でも詳細解説しています。

相続税が払えるか要注意

被相続人の全体の財産が一定金額を超えている場合には相続税がかかります。遺言により財産をもらった人はその財産から相続税を払わなければいけません。

もらった財産が有価証券、預貯金などの金融資産であればそこから相続税を払うことができますが、不動産など換金しづらい財産を相続した場合には相続税の納税資金の確保が必要になります。

不動産を渡したかったのに、相続税が払えなくて不動産を売却しなければいけなくなったら本末転倒です。

遺言書を書くときには相続税の納税のことも気にしながら書く必要があるといえるでしょう。

遺言書作成時の相続税の注意点についてはこちらの記事でも詳細に解説しています。

作成方法

分け方が検討できたらいよいよ遺言書の作成に移ります。

遺言書の一般的な作成方法には2つの方法があります。

  1. 自分で手書きで作成する
  2. 公証人に作成してもらう

自分で手書きで作成する(自筆証書遺言)

自分で手書きで作成する遺言書のことを自筆証書遺言をいいます。

遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名を自分で手書きしてこれに印を押さなければならないものと定められています。
(平成31年1月から財産目録についてパソコン等で作成することができるように改正されました)

費用がかからず気軽に作成できるところが特徴ですが、手書きの煩雑さや形式不備のリスクがある点に注意が必要です。

メリットデメリット
費用がかからない
気軽に作成できる
手書きがメンドウ
形式不備により無効になるリスク

自筆証書遺言の作成時の注意点はこちらでも解説しています。

公証人に作成してもらう(公正証書遺言)

公証人役場にて公証人に作成してもらう遺言書のことを公正証書遺言といいます。

遺言の有効性や書類の正当性を確認するために、専門家によって作成されるため法的な保障が高いところが特徴ですが公証人への手数料がかかることがデメリットといえます。

メリットデメリット
公証人が作成するので形式不備などのリスクがない公証人手数料などの費用がかかる

公正証書遺言をオススメする理由

遺言書を作成するときには公正証書遺言をオススメしています。2つの特徴をまとめると↓の表となります。

自筆証書公正証書
費用かからない かかる
作成手続き手書きでメンドウラク
様式様式不備の可能性安心
紛失紛失するおそれあり役場で保管
相続後検認手続が必要検認不要

自筆証書遺言は費用がかからないため手軽に作成することができるので良い点ですが、紛失リスクや様式不備のリスクが心配です。

公正証書遺言であればそのリスクをカバーしてくれるので安心です。

また、相続発生後の検認手続きが不要になるため手続きもラクになります。

まとめ

今回は遺言書を作成する目的から作成方法までの流れをお話ししました。

遺言書作成までの流れは↓のとおりです。

  1. 遺言書を作成する目的を明確にする
  2. 下準備1 自分の財産の棚卸し
  3. 下準備2 自分の財産のつかいかたを検討する
  4. 財産の分け方を考える
  5. 遺言書の作成方法を検討する

遺言書は自分の死後に残される大切な文書です。自分が残したい意思や思いを書き留めるために真剣に考えることが大切です。

ササッとつくるのではなく作成完了までじっくり時間をかけてつくりましょう。

時間をかけて作る必要があるからこそ60歳からつくりはじめるのがベストです。ぜひ作成を進めてみましょう。


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この記事を書いた人

相続税対策・不動産税務に強い税理士です。

『お客様一人ひとりにオーダーメイドのサービスを』を理念とし、サービス提供にあたってお客様との対話を最も重視しています。

神奈川県三浦市出身。1984年生まれ。

追浜高校→明治学院大学→同大学院→
税理士法人レガシィ2年半
→響き税理士法人11年

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