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【使う・渡す・万が一】60歳が相続対策で考えるべき3つのこと

雑誌や新聞でよく見かける『相続対策』というフレーズ。なんとなく大事なことはわかっているけど、、、

人生100年時代といわれる昨今。60歳の人はまだまだ元気です。自分の相続対策なんてまだまだ先と考えている人も多いでしょう。

税理士として数多くの相続のご相談に対応して感じることは『相続対策は早く始めるに越したことはない』ということ。

とはいっても、相続対策の本には『生前贈与で相続税対策を!』『不動産を購入して相続税を節税!』『遺言書』『家族信託』、、、。とピンとこないフレーズばかりですよね。

それもそのはず。これらは基本的には相続人目線で書かれているからです。財産を渡す側には関係のない話なのです。

また、ネット・書籍の情報は相続対策について一般的に記載されているため個別具体化されていません。

相続対策は実行する年齢、目的、財産状況によって異なります。

今回は60歳になった人にスポットをあてて相続対策で考えるべきことをまとめました。

考えるべきことは【つかいかた】、【わたしかた】、【もしものため準備のしかた】の3つです。

60歳が相続対策で考えるべき3つのこと
  1. 【つかいかた】財産を自分でどのくらいつかうか考える
  2. 【わたしかた】残った財産をどうしたいか考える
  3. 【もしものため準備のしかた】不慮の事故や病気に向けた準備をする

それぞれについてお話していきます。

目次

【つかいかた】を考える

まず財産の【つかいかた】をかんがえること。今ある財産を自分でどのくらいつかうか考えましょう。

自分の今後の生活が見通せていない状況で相続対策を考えることはできません。

60代の人が相続対策に対しておっくうになってしまうのは将来の自分の生活が見通せていない心理的負担が大きいでしょう。

具体的にやるべきことは以下の3つです。

  • 財産の棚卸し
  • 今後の収入や生活費を見通す
  • やりたいことにどのくらいお金がかかるか試算する

財産の棚卸し

自分の財産の棚卸しは相続対策を考える上でのスタートラインです。今現在、自分の財産が何が・どのくらいあるのか棚卸ししましょう。

銀行預金であれば銀行、支店、口座番号、現在残高。上場株式、投資信託であれば証券会社名、支店、口座番号、現在の時価など、できるだけ細かく整理します。

また、財産だけではなく債務の確認も必要です。

こちらの記事では財産一覧表の作成方法について解説しています。合わせてご確認ください。

今後の収入や生活費を見通す

財産の整理ができたら今後の収支を見通しましょう。

サラリーマンの方であれば定年時期までの給与収入と今後の年金収入が主な収入となります。

年金収入は年金機構から送れてくるねんきん定期便に記載されていますので確認してみましょう。

不動産投資や個人で事業などをやられている人は将来の収入が見通しづらいですが、ざっくりでいいので計算してみることをオススメします。

収入をあわせて今後の生活費も試算してみましょう。細かく試算するとキリがないので特にお金がかかる住居費、教育費、食費、その他、という感じで大きい数字をとらえて計算します。

こちらの記事では収支予測表の作成方法について解説しています。合わせてご確認ください。

やりたいことにどのくらいお金がかかるか試算する

60歳以降で自分がやりたいことを洗い出してそれにどのくらいのお金がかかるか試算してみましょう。

  • 海外旅行に行きたい
  • 別荘を買いたい
  • 田舎に自宅を引っ越したい
  • 〇〇を買いたい

などなど、やりたいことを洗い出してみると楽しいものです。

それに合わせて、自分の親や自分自身の介護のときにかかる費用を計算してみましょう。

  • 子どもには迷惑を書けたくないから介護付きの老人ホームに移りたい
  • できるだけ自宅で生活を続けたいからリフォームをしてバリアフリー化したい

など介護にかかる費用もしっかり見通しておくことが大事です。

【わたしかた】を考える

自分で生きているあいだに自分の財産をすべて使い切る、というのは意外と難しいものです。残った財産の【わたしかた】も検討しておく必要があります。

  • 生前に財産を渡したい
  • 相続時に自分の考えにそって財産を渡したい
  • なるべく相続税を減らしたい
  • 残った財産の使い道は相続人にゆだねる

ここでも『自分がどうしたいか?』を考えることを重要です。わたしかたはさまざまです。どうしたいか?によってその後の対策すべきことが異なります。

生前に財産を渡したい

生前に自分の財産をわたすことができます。その際には誰に、どのくらい渡すのか?渡したときの税金はどうなるか?を考える必要があります。

生前贈与はわたす側ともらう側の契約行為です。わたす側の一方的な意思では成立しないものなのでもらう側との話し合いも必要です。

場合によっては贈与契約書などを取り交わしておくほうがよいしょう。

相続時に渡したい

相続時に自分の考えに沿って財産を渡したい人は遺言書を書く必要があります。遺留分や特別受益、相続税などに注意が必要です。

なるべく相続税を減らしたい

中長期的に生前贈与などの対策を講じる必要があります。節税対策での生前贈与の場合には必ず贈与契約書を作成したほうがよいでしょう。

そもそも、現状や将来自分で財産を使い切ったあとでどの程度の相続税がかかるのか、試算することも大事です。

残った財産の使い道は相続人にゆだねる

何も対策を講じない場合には残った財産の使い道を相続人にゆだねる、ということになります。これはこれでひとつの選択肢でしょう。

【もしものため準備のしかた】を考える

相続対策を考えるときには不慮の事故や病気で突然意思表示ができなくなってしまうときのことを想定しておくことも重要です。

意思表示できないと・財産がつかえない、売れない、わたせないという状態となります。事前に計画していた自分での財産の活用も実現することができません。

では不慮の事故や病気に向けてどのような準備をすべきでしょうか。考えられる準備は以下の3つです。

  1. 意思表示できるうちに生前贈与する
  2. 家族信託を活用し財産の管理権をゆずる
  3. 任意後見人を専任しておく

自分が意思表示できなくなってからはこれらの対策を打つことができません。元気なときに万が一のことを考えておくことが大事です。

まとめ

60歳が相続対策で考えるべき3つのことについてお話しました。

60歳が相続対策で考えるべき3つのこと
  1. 【つかいかた】財産を自分でどのくらいつかうか考える
  2. 【わたしかた】残った財産をどうしたいか考える
  3. 【もしものため準備のしかた】不慮の事故や病気に向けた準備をする

まずは自分の生活が第一です。自分の今後の生活が見通せていない状況で相続対策を考えることはできません。上から順番に検討を進めていくとよいでしょう。


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この記事を書いた人

相続税対策・不動産税務に強い税理士です。

『お客様一人ひとりにオーダーメイドのサービスを』を理念とし、サービス提供にあたってお客様との対話を最も重視しています。

神奈川県三浦市出身。1984年生まれ。

追浜高校→明治学院大学→同大学院→
税理士法人レガシィ2年半
→響き税理士法人11年

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